キネマ旬報シアターが守ろうとしているもの

柏駅から少し歩いた先にある「キネマ旬報シアター」。
この街の文化の灯のような場所が、いま閉館の危機にあると聞きました。
空調設備などの老朽化により、多額の改修費用が必要になったそうです。

「良質な映画を未来へ届ける」という理念のもと、
この小さな映画館は12年にわたり、
国内外の名作や独立系作品、ドキュメンタリーを丁寧に上映してきました。
大手シネコンではなかなか見られない“深い映画”を、柏の街で体験できる場所です。

ここでしか観られない映画。
ここでしか感じられない時間。
そして、ここでしか出会えない人たち。

支配人の三浦理高さんは、空調設備の見積もりを見て「途方に暮れた」と語っています。
それでも「閉じないでほしい」というお客さんの声に背中を押され、
クラウドファンディングを決意したそうです。
目標額は7,000万円。10月中旬時点で2,000万円以上が集まり、
映画監督や俳優からも応援のメッセージが届いています。

映画館という空間は、ただ映画を映す場所ではありません。
人と人をつなぎ、街の記憶を刻む場所でもあります。
照明が落ち、スクリーンに光がともる瞬間――
あの静けさの中で、私たちは「誰かの物語」と向き合う。
その時間こそが、文化の息づく証なのだと思います。

「スマートフォンの電源を切り、
大きなスクリーンに没入できる映画体験は映画館だけ。」
三浦さんの言葉に、深くうなずきました。

柏には、この映画館が似合う。
商業ビルの喧騒の中で、静かに光る“文化の小窓”のような存在だから。
探偵の仕事で街を歩くことが多い私ですが、
柏の駅前を通るたびに、ここに文化の灯があることを誇りに思います。
どうか、これからも。
スクリーンの光が、柏の街を照らし続けますように。

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