🔍 探偵クイズ vol.06:「二重密室の謎」
【問題】
老舗質屋の店主・三上源蔵が、店舗奥の金庫室内で死亡しているのが発見された。
第一発見者は店の従業員で、午前9時に出勤したところ、店舗の表口が内側から鍵がかかっていたため、
裏口から入って店舗を確認。そこでも金庫室のドアには鍵がかかっていたという。
鍵を破って室内に入ると、中から三上の遺体と焼香の香炉が発見された。
死因は一酸化炭素中毒。金庫室内に通気口はなく、室内から鍵がかかっていたことも確認された。
つまりこの事件は、「店の外からも、金庫室からも出入りできない完全な二重密室」で起こった。
探偵は事件現場に立ち入り、“ある臭い”に気づいた瞬間、真相を見抜いた。
その真相とは?
💡 ヒント①
金庫室には二重の鍵があり、どちらも施錠されていた。
💡 ヒント②
香炉が使われていたが、仏事の予定はなかった。
💡 ヒント③
探偵が気づいた臭いは、線香と可燃性ガスが混じったものだった。
✅ 答え
この事件のトリックは「時限一酸化炭素中毒殺人」だった。
犯人は、事前に金庫室の中に香炉を設置し、その内部に可燃性の炭と練炭を仕込んでおいた。
練炭は、着火してしばらくしてから一酸化炭素を発生させる性質がある。
犯人は三上に香炉の火を点けさせるか、何らかの方法で室内に誘導し、外から施錠して退去。
金庫室は気密性が高いため、数時間後に室内の酸素が減り、致死量の一酸化炭素が充満し三上は中毒死。
二重密室に見えたのは、時間差で作用する“ガスの罠”だった。
探偵は、現場に漂う線香の香りに混じった練炭ガスの独特な臭いで、トリックを見抜いたのである。