
性加害報道と守秘義務論争をめぐる“違和感”
2024年8月、週刊文春が中居正広氏による「不同意性交(性暴力)」の疑惑を報道しました。
これに対し中居氏側は、「不同意ではなかった」と反論。
しかしその反論の内容について、被害を訴える元アナウンサーAさんの代理人である菅沼友子弁護士は、「守秘義務違反にあたる」と主張しています。
この一連のやり取りを通じて、私は強い違和感を抱きました。
■週刊誌報道は誰が流した?情報源は不明
文春の記事では、「不同意性交があった」とされる具体的な内容が掲載されましたが、
Aさんや代理人が直接情報を提供した証拠はなく、通知書の出所も不明です。
情報の出所が曖昧なまま、社会的な波紋だけが拡がっている点が問題です。
■加害を報じられた側は反論できるのか?
「性暴力をした」と名指しで報道された側が反論することが、守秘義務違反になるのか?
私はこの点に強い違和感を抱きました。
通常、名誉毀損の危険がある場合には反論する権利が認められています。
それすら封じるのであれば、それは一方的な情報だけが社会に広まり、反論は封じられる構造を生む危険があります。
■沈黙を保ちながら、情報が出回る矛盾
被害者側は「守秘義務を守って沈黙している」と主張していますが、
一方で週刊誌には詳細な内容が掲載されているという現実。
沈黙を貫いているはずの側が事実上“発信”し、
反論する側だけが批判されるという非対称性に、私は大きな矛盾を感じました。
■守秘義務は“双方”に課されるべき
守秘義務は本来、互いの名誉・プライバシーを守るための合意です。
一方が週刊誌で事実上の主張をしながら、もう一方の反論を「違反」とするのは、
本末転倒ではないでしょうか。
■必要なのは冷静な検証と対等な言論
- 情報漏洩の出所は不明
- 中居氏側の反論は、名誉を守るための合理的行動とも取れる
- 被害者側は沈黙を守っているとしながら、情報が流れている矛盾
- 守秘義務は双方が対等に守るべきものである
この問題は、性加害という重いテーマと、報道や法制度とのバランスを同時に問うものです。
一方だけを正義と決めつけず、情報の出所や主張の整合性を冷静に見極める姿勢が求められます。