婚姻関係破綻とは?別居中での慰謝料請求について
配偶者の不倫に関するご相談で、よく耳にするのが「婚姻関係破綻」という言葉です。
特に、長期間の別居中や離婚協議中に不倫が発覚したケースでは、
「破綻状態とみなされて慰謝料が請求できなくなるのではないか」と心配される方が少なくありません。
この記事では、主に次の2点について、できるだけ分かりやすく解説します。
- 婚姻関係が破綻しているとみなされる状態とは?
- それによる法律的な影響は?
「婚姻関係破綻」とは
法律上、明確な定義はありませんが、一般的には
「婚姻関係を今後も継続していくことが極めて困難で、回復の見込みがない状態」
を指します。
裁判所は、一つの事情だけで判断するのではなく、個別の事情を総合的に考慮して判断します。
そのため、同じ「別居」「DV」「性格の不一致」であっても、事案ごとに結論が変わることがあります。
「婚姻関係破綻」とみなされる可能性が高い状態
以下に、破綻と判断される可能性が高い代表例を挙げます。
あくまで「目安」であり、婚姻期間の長さや具体的な事情により結論は変わってきます。
1.長期間の別居
目安として3〜5年以上の別居が挙げられることが多いですが、
固定された数字はありません。
婚姻期間が短い場合には、3年未満の別居でも破綻と認められた判例もあります。
一方で、仕事の都合・単身赴任・介護などが理由の別居は、
夫婦関係の悪化によるものではないため、通常は破綻とはみなされません。
また、同じ家に住んでいても「家庭内別居」状態という場合もあります。
子どものため・家計のためなどの事情で同居を続けている場合、
外形上別居していなくても、破綻と判断されにくくなることがあります。
2.DV(ドメスティックバイオレンス)やモラルハラスメント
配偶者からの暴力(DV)や精神的虐待(モラハラ)がある場合、
婚姻関係の破綻が認められやすくなります。
DVの場合は、
- 怪我の写真・動画
- 病院の診断書
- 警察への相談記録 など
が有力な証拠となります。
モラハラは証拠集めが難しいですが、
- 暴言などの録音
- 日記・メモ
- LINEのやりとりのスクリーンショット
などが有効で、期間・内容・頻度などが総合的に考慮されます。
3.犯罪行為や服役
配偶者が犯罪を犯したり、服役したりした場合、
その犯罪の内容の深刻さ・服役期間・再犯可能性・婚姻期間などを総合的に見て、
婚姻関係が破綻していると判断されることがあります。
4.家庭の放置
配偶者が仕事・宗教活動・趣味などに過度に没頭し、
家庭生活をほとんど顧みない場合、破綻と認められる可能性があります。
ポイントは、その没頭の度合いが、夫婦関係を極度に悪化させたかどうかです。
単に残業が多い・趣味があるというだけでは足りず、家庭への影響の大きさが重視されます。
5.親族との不和
配偶者の親族(特に義父母)との関係悪化が原因で夫婦関係が悪化した場合、
配偶者が関係修復に努めなかったり、かえって悪化させる行動を取っていたといった事情があると、
婚姻関係破綻とみなされることがあります。
6.性格の不一致や性生活の問題
性格の不一致や性生活の問題も、放置され続ければ破綻理由となり得ます。
- 性格が合わず、常に衝突している
- 性行為の一方的な拒否や過剰な要求
- 一般的な範囲を逸脱した性嗜好(異常性癖)
これらが原因で夫婦関係が回復不能になった場合、婚姻関係破綻が認められる可能性があります。
7.不就労、過剰飲酒、浪費
働く能力があるのに働かず生活費を負担しない、
過剰な飲酒やギャンブル・浪費で家計を大きく悪化させる場合も、破綻とみなされることがあります。
単なる「お小遣いの範囲」ではなく、結婚生活に深刻な影響を及ぼしているかどうかが鍵となります。
このように、上記のいずれかに該当する場合、婚姻関係が破綻していたと認められる可能性が高まりますが、
裁判所はあくまで個別の事情を慎重に審査する点に注意が必要です。
婚姻関係破綻による法律的な影響
婚姻関係の破綻が認められると、主に次のような法律的な影響が生じます。
1.裁判離婚が認められやすくなる
協議や調停で合意に至らず裁判となった場合、
民法第770条の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当し、
離婚が認められやすくなります。
2.不貞行為による慰謝料請求ができなくなる
不貞行為の慰謝料は、
「婚姻生活の平和」という権利が侵害された場合に発生します。
すでに破綻状態であれば、その権利が存在しないと判断され、
慰謝料請求が認められない可能性が高くなります。
ご相談者の多くが特に心配されるのが、このポイントです。
別居中の方や、過去にDVがあった方などは、
「相手側に『破綻していた』と言い逃れされるのではないか」と不安に感じられます。
実際の裁判では、相手側が「破綻していた」と主張し、
こちら側が「破綻していなかった」と反論する形になることが多いです。
婚姻関係が破綻していなかったことを示す証拠例
裁判で有利に進めるためには、「まだ婚姻関係は続いていた」ことを示す証拠を残しておくことが重要です。
代表的な例をいくつかご紹介します。
1.同居していた(または別居して間もない)
同居していた事実や、別居からの期間が短いことを示す
住所証明・住民票・公共料金の明細などは、有力な材料になります。
2.性交渉があった
性交渉があった事実を直接証明するのは難しいですが、
LINEのやり取りの中で「昨夜はありがとう」「今日は一緒に寝ようね」などの記述があれば、有力な証拠となります。
実務上、この点を相手が否認するケースはそれほど多くありません。
3.外食や買い物などに一緒に出かけていた
外食・旅行・買い物などに一緒に出かけていた場合は、
- レストランやホテルの領収書
- クレジットカードの明細
- 一緒に写っている写真・動画
- 第三者(友人・親族など)の証言
などが、「夫婦としての生活実態が続いていた」ことを示す証拠になります。
4.コミュニケーションがあった
普段からLINEやメールで連絡を取り合っていた記録も、
「まだ完全に関係が切れていなかった」ことを示す材料になります。
特に、
- 体調や仕事を気遣うメッセージ
- 子どものことを話し合っているやり取り
- 休日の予定を相談している内容
などは、夫婦としての協力関係が続いていたことを示す重要な証拠になります。
まとめ
過去の判例を見ると、裁判所が「婚姻関係破綻」を認めるケースは、決して多くはありません。
「別居しているからもうダメだ」「ケンカが多かったから破綻と言われてしまうのでは」と、
必要以上に悲観される方も多いですが、実際にはかなり慎重に判断されています。
不安を感じる方は、不貞調査と並行して、
「破綻していなかった」ことを示す証拠を積極的に残すことを検討してください。
また、婚姻関係の破綻や慰謝料請求は、法律・判例の判断が非常に重要になる分野です。
個別の状況に応じたアドバイスが必要な場合は、早めに専門の弁護士へ相談することをおすすめします。
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