松本人志スキャンダルの余波で“無実の人間”が人生を壊された——渡邊センス裁判が示す週刊誌の狂気

近年、「不同意性交」という言葉が一気に広まりました。同意のない性行為を厳しく罰すること自体は、被害者保護の観点から当然必要な方向性です。
しかし一方で、「証拠が乏しいまま、週刊誌と世論だけが先に人を“有罪扱い”してしまう危険な構図」も、同時に進行しています。
今回は、松本人志さんをめぐるスキャンダル報道の“余波”として、お笑い芸人・渡邊センス氏が週刊誌を相手取り、名誉毀損訴訟で勝訴した裁判例を取り上げ、探偵としての視点から「不同意性交」「虚偽報道」「魔女裁判化」の問題を考えてみます。
この記事でお伝えしたいこと
- 不同意性交という制度は必要だが、悪用や虚偽告発のリスクも存在すること
- 週刊誌報道が「裁判より先に人を断罪する」構造がどれだけ危険か
- 探偵として、なぜ「証拠」にこだわらなければならないのか
松本人志スキャンダルの“余波”としての渡邊センス裁判
まず前提として、この裁判は「不同意性交罪」そのものを争ったものではありません。
しかし、性加害疑惑報道の文脈の中で、証拠が不十分なまま人を「性行為の手配役」のように描いた週刊誌記事が、名誉毀損と判断されたケースです。
経緯の詳細は、東京スポーツの記事などでも報じられていますが、ここではポイントを絞って整理します。

報道と裁判のおおまかな流れ
- 松本人志さんに関する性加害疑惑が週刊誌で報道され、社会問題化。
- その文脈で、写真週刊誌「FRIDAY」が渡邊センス氏が女性を手配し、性的行為を前提とした“要員”のように扱っていたかのような記事を掲載。
- 記事掲載後、渡邊氏の仕事は激減し、芸能活動はほぼストップ。
- 渡邊氏は「記事は虚偽・捏造だ」として講談社を提訴。
- 東京地裁は2025年11月25日、名誉毀損を認定し、講談社側に損害賠償を命じる判決を言い渡した。
裁判所が認定したこと:問題は“不同意性交”の有無ではなく、取材と表現の在り方

判決文の要点を、探偵の立場からシンプルに整理すると、次のようになります。
- 記事は、渡邊氏を「性行為の要員として女性を手配する人物」と読者に受け取らせる内容だった。
- しかし、その重要部分について、裏付けとなる客観的証拠は示されなかった。
- 渡邊氏側への事前確認もなく、取材は十分とは言えない。
- 結果として、「真実性も、真実と信じるに足る相当な理由もない」と判断された。
ここで重要なのは、裁判所が
「性的同意があったか・なかったか」以前に、「そうした印象を与える記事を書けるだけの根拠がそもそもあったのか?」
という点を厳しく見ていることです。
つまり、「不同意性交があった/なかった」という本質的な問題を論じる前に、
週刊誌側の取材と表現が“証拠不足のまま一人の芸人の人生を壊したのではないか”という点が、法的に否定された形です。
賠償額は220万円——しかしお金の問題だけではない
今回、認められた損害賠償額は220万円と報じられています。
しかし、仕事が激減し、芸能活動が止まり、「性に関するよからぬイメージ」を背負わされ続けた期間を考えると、金額だけで償えるものではありません。
不同意性交と“魔女裁判化”——問題は「証拠がないまま社会的制裁が先行する」こと
私は探偵として日々、夫婦問題や男女トラブルの現場を見ています。
そこで強く感じるのは、
「性に関する疑い」は、それだけで人の人生を簡単に破壊する
という現実です。
もちろん、不同意性交(同意のない性行為)は重大な人権侵害であり、
被害に遭った方が救済されなければならないのは当然です。
しかし一方で、
- 警察や裁判所ではなく、週刊誌が最初の“裁きの場”になってしまっている
- 証拠が不十分でも、“告発記事”という形で全国に拡散されてしまう
- SNS上で「有罪」かのように扱われ、その後に事実関係が修正されても、イメージは元に戻らない
こうした構図は、まさに“魔女裁判”に近いものがあります。
本来、刑事事件の世界では
「疑わしきは被告人の利益に」
という原則があり、合理的な疑いが残る限り、有罪にはできません。
しかし、週刊誌とSNSの世界ではしばしば、
「疑わしきはとりあえず叩け」
という真逆の構図が動いてしまうのです。
探偵としての立場:真実を語るには“証拠”が必要

笑顔の裏には、長い戦いのプレッシャーと苦しみがあったはずです。
探偵の仕事は、「事実を推測すること」ではなく、「事実を裏付ける証拠を集めること」です。
例えば、不倫調査・浮気調査でも、
- 本人が「やっていない」と言い張る
- 相手が「同意の上での関係」と主張する
など、言い分が食い違う場面は山ほどあります。
そんなときに最終的な判断材料になるのは、
- ホテルへの出入りの映像や写真
- 時系列で整理された行動記録
- LINEやメッセージのやり取り
といった客観的な証拠です。
「証拠がないのに断罪すること」も、ある意味で“暴力”
不同意性交の被害に遭った方が声を上げることは、とても勇気のいる行動です。
しかし同時に、証拠がないまま誰かを「性加害者」と断定することも、
別の意味で深刻な人権侵害になり得ます。
今回の渡邊センス氏の判決は、
「疑いの段階で人を社会的に抹殺するような報道は許されない」
という、当たり前だけれども忘れられがちな原則を、あらためて突きつけたと言えるでしょう。
不同意性交は必要な法律。しかし“悪用されない仕組み”が欠かせない
最後に、探偵としての私見をまとめます。
- 不同意性交を犯罪として明確に位置づけ、被害者を守る法律は必要です。
- しかし同時に、虚偽申告や誇張報道によって「無実の人の人生を壊すリスク」も現実に存在します。
- だからこそ、警察・検察・裁判所、そしてメディアが「証拠主義」に立ち返ることが不可欠です。
本来、“真実”は感情や空気ではなく、証拠から導き出されるべきものです。
そして、依頼者の人生がかかった現場で働く探偵として、
私はこれからも、
「被害者を守ること」と同じくらい「冤罪から人を守ること」も重視したい
そう強く感じています。
不同意性交や性加害報道に関するご不安や、「これって冤罪になりかねないのでは?」といったご相談があれば、
匿名でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。
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