
【柴又女子大生放火殺人事件】
1996年9月9日未明、東京都葛飾区柴又の住宅街にて、当時21歳の上智大学文学部在学中の女子大生・小林順子さんが自宅で遺体となって発見された。事件は、未だに真相が解明されていない未解決の猟奇事件である。
■ 犯行現場と発見状況
事件当日、小林さんの両親が旅行中で不在のなか、2階の6畳間(両親の寝室)で彼女の遺体が見つかった。室内には火災の形跡があり、焼け落ちた床の下から小林さんの遺体が発見された。
遺体は仰向けで、上から布団が掛けられていた。口と両手は粘着テープで巻かれ、両足はストッキングで縛られていた。着衣の乱れはなかった。首など複数箇所を刃物で刺されており、特に首の傷が致命傷とされる。
さらに、手には「防御創」が認められ、強く抵抗した跡が見られた。
遺体には煙を吸った痕跡がなく、殺害された後に放火された可能性が高いとされている。
■ 不可解な点
現場の状況は極めて不可解である。強盗目的を示す物証がなく、家の中に荒らされた形跡もなかった。さらに、小林さんが自室ではなく、両親の部屋で発見された理由も不明である。
■ 犯人像と謎
近隣住民の証言では、犯行当時に物音や悲鳴などは聞かれていない。現場の状況から、犯人は住宅内部の構造を熟知していた可能性があるとされているが、侵入経路・逃走経路ともに特定されていない。
加えて、事件から時間が経って火災が発生しており、犯人が証拠隠滅のため放火したと考えられている。しかし、放火によって逆に遺体が見つかる結果となった点は、犯人の行動として極めて不自然である。
■ 事件の影
小林順子さんは、真面目で朗らかな性格で知られ、事件当日はアルバイトも終えて帰宅していた。特にトラブルもなく、交友関係も平穏だったとされる。
それだけに、なぜ彼女が狙われたのか、その理由すら不明のままである。
■ 現在も未解決…情報提供を
この事件は発生から30年近くが経過しても、犯人の逮捕に至っていない。