🔍 探偵クイズ vol.13:「偽りの目撃者」
【問題】
都心の高級マンションで資産家の藤村が刺殺された。
警察は、防犯カメラの死角となる時間帯に出入りしていた元運転手・橋爪を重要参考人とした。
橋爪は「訪ねたが、部屋には入っていない」と主張。アリバイは曖昧だった。
しかし現場近くにいた清掃員の女性が、
「20時10分に橋爪さんが外へ出ていくのを確かに見た」と証言。
死亡推定時刻は20時〜20時15分の間だったため、橋爪は**“現場から離れていた”と見なされ容疑が外れた**。
だが探偵は、その証言を聞いて首をかしげた――
「なぜ、その“時間”を覚えていたんです?」
疑問視した理由とは?
💡 ヒント①
清掃員は人物の顔を明確に記憶できない体質だった。
💡 ヒント②
「その時間はゴミ収集車が来るから時計を見る習慣がある」と話した。
💡 ヒント③
ゴミ収集はその週だけスケジュールが変更されていた。
✅ 答え
清掃員の証言は、“前日の記憶”と勘違いしていた虚偽証言だった。
彼女が「橋爪を見た」とされる20時10分は、普段であればゴミ収集車が来る時間。
そのときに時計を見る習慣があったため、強く記憶に残ったという。
しかし実際には、その週のゴミ収集スケジュールは1日遅れていた。
探偵は清掃記録や管理会社への聞き取りからそれを突き止め、
証言された「橋爪が20時10分に出ていった」という記憶は“別の日”のものと証明された。
実際には、橋爪が藤村を殺害し、外に出たのは20時15分以降だったと考えられる。
清掃員の証言のミスは、結果的に犯人にアリバイを与えてしまったのだ。
探偵は、証言の“記憶のトリガー”が曜日と日付によってすり替えられていたことに着目し、
真実を暴いたのである。