三郷市調査日記

三郷市・小学生4人ひき逃げ事件の「執行猶予判決」は妥当なのか?

三郷市 小学生ひき逃げ事件

【探偵が検証】
三郷市・小学生4人ひき逃げ事件の「執行猶予判決」は妥当なのか?

2024年5月、埼玉県三郷市の市道で、下校中の小学生4人が車にはねられるひき逃げ事件が発生しました。
運転していたのは、中国籍の解体工 鄧洪鵬 被告(43)。2025年11月13日、さいたま地裁越谷支部は
懲役2年6か月・執行猶予4年(求刑懲役2年6か月)の判決を言い渡しました。

探偵としてさまざまな事件・トラブルの裏側を見てきた立場から、
この「執行猶予判決」は本当に妥当なのか? を、法律上の罰則も踏まえて整理してみます。

1.事件の概要

判決や報道を整理すると、事件の流れは概ね次の通りです。

  • 三郷市内の飲食店で ビール中ジョッキ5杯以上 を飲酒
  • 飲酒直後に車を運転し、市道を走行
  • 下校中の小学6年生男児4人 が歩いていた路側帯に衝突
  • 子どもたちに加療最長約4週間のけがを負わせる
  • 救護措置を取らず、その場から逃走
  • 車を別の場所に移動・放置し、時間を置いてから出頭

ひき逃げ直後、現場は大きな衝撃に包まれました。

事故現場 イメージ

目撃者の証言によれば、子どもたちは塀と車に挟まれるような形で倒れ、お互いに「大丈夫?」と声を掛け合っていたと言います。
しかし、車から降りてきた男2人はあまり気にする様子もなく、そのまま逃走したとされています。

2.裁判所が執行猶予を付けた理由

裁判所は、事故の悪質性を認めながらも、次のような事情を考慮して執行猶予付き判決としました。

  • 被告人が被害児童らに 見舞金を支払っている
  • 任意保険により損害賠償が見込まれる こと
  • 被告人が 「今後は一切自動車を運転しない」 と述べていること
  • 被害児童4人のうち、3人とは示談が成立していること(初公判時点)

一方で、判決文では
「飲酒運転の危険を現実化させたもの」「責任回避のための逃走」
と、被告人の行為自体は厳しく非難されています。
それでも執行猶予が付いた——ここに、モヤモヤを感じる方も多いはずです。

3.起こした事故を「行政処分」と「刑事罰」から見てみる

今回のようなケースは、法律上どれほど重い位置づけになるのでしょうか。
行政処分(免許)刑事罰(刑事裁判での処罰) の両面から整理してみます。

(1)救護義務違反(ひき逃げ)【道路交通法】

ひき逃げは、道交法上でもっとも重い部類の違反です。

▶ 道路交通法:救護義務違反
10年以下の懲役 または 100万円以下の罰金

事故を起こしてしまったとしても、本来は
「救護」「119番通報」「二次被害の防止」
を最優先しなければなりません。
子ども4人が道路に倒れているのに救護せず、現場を離れたという点は、非常に重く見られます。

(2)飲酒発覚免脱罪【自動車運転処罰法】

今回の被告には、
「過失傷害アルコール等影響発覚免脱」
の罪も適用されています。

▶ 自動車運転処罰法:アルコール等影響発覚免脱
12年以下の懲役

簡単に言うと、
「飲酒運転がバレないように逃げた」 場合に適用される非常に重い罪です。
今回のように、

  • 子ども4人を負傷させる
  • 救護せずに逃走する
  • 車を別の場所に移動・放置する
  • 時間を空けてから出頭し、飲酒の痕跡を消す

という行動は、まさに
「発覚免脱型ひき逃げ」の典型パターン です。

(3)運転免許の行政処分(取消)【点数制度】

行政処分としては、免許取消・長期間の欠格期間がほぼ確実です。

・飲酒運転(酒酔い相当) … 約25点
・ひき逃げ(救護義務違反) … 約35点
・過失傷害 … 約13点

合計すると 70点以上 となり、
一発取消基準(15点以上)の4倍以上です。
欠格期間(再取得できない期間)も 最長クラス(8〜10年) になるレベルの行為と言えます。


ニュース記事スクリーンショット

4.これだけの内容で「執行猶予」は妥当なのか?

探偵として、さまざまな事故・トラブル現場を見てきた立場から言えば、
今回の事件は本来、実刑でもおかしくないレベルだと感じます。

飲酒運転をしたこと自体も問題ですが、それ以上に重いのは

  • 子ども4人をはねておきながら、その場から逃げたこと
  • 車を隠し、飲酒の証拠を消そうとしたこと
  • 発覚免脱罪が適用されるほどの悪質な行動

これらはすべて、「自分の保身を最優先した選択の連続」です。
事故は一瞬の不注意だったとしても、その後の
「逃げる」「隠す」「誤魔化す」 は、完全に本人の意思です。

それでもなお、
「見舞金を払った」「今後運転しないと言っている」 という理由で執行猶予が付く。
被害者側・地域住民の感覚からすると、
「本当にこれでいいのか?」 という疑問が残る判決だと思います。

5.最近目立つ「外国人の不起訴・軽い量刑」という問題

ここ数年、ニュースや実務の現場を見ていると、
「外国籍の被疑者が不起訴になるケース」 が目立つ印象があります。

もちろん、国籍だけで処分が決まるわけではありません。
しかし、

    ・事件の背景や経緯が十分に説明されないまま、なぜか不起訴で終わる事例が増えていること
    ・重大な結果を伴う事件でも、量刑が思ったより軽く感じられる判決が続くこと

といった事例が重なると、
「本当に公平な運用がされているのか?」
という不信感が生まれてしまいます。

私が問題だと思うのは、
「外国人だから」ではなく、「行為の悪質さと処分の重さが釣り合っていない」 ことです。

6.まとめ —— 行為に見合った処罰と、再発防止のために

子ども4人をひき、救護もせず逃走し、飲酒の証拠まで消そうとした。
それでも執行猶予が付く——この判決に違和感を覚える方は決して少なくないはずです。

探偵という、「トラブルの裏側」を日々見続ける仕事柄、
私は今回の判決について、
「被害者感情や再発防止の観点から見て、十分とは言い難い」 と感じています。

国籍に関係なく、やった行為に見合った処罰がきちんと科されること
それが、地域の安心・安全を守るために最も重要なポイントではないでしょうか。

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