ストーカー行為に当たるのはどんなケース?──警察に相談すべき基準と、被害を拡大させない初動
平成12年にストーカー規制法が施行されて以降、社会全体で「ストーカーは重大事件へ発展しうる行為」という認識が広がりました。
とはいえ、現実には毎年多くの相談が警察に寄せられており、「どこからがストーカー?」と迷う方が少なくありません。
本記事では警察庁が示す典型例をわかりやすく整理し、安全を守る初動と証拠化のコツを解説します。

これってストーカーに当たる?
この状況、警察に相談してもいい?通報の目安は?
ストーカー行為とされる主な行動(代表例)
以下は反復継続して行われるとストーカー行為に該当しうる典型例です(警察庁の整理をもとに要約)。一度でも危険性が高い場合は即通報を。
1)つきまとい・待ち伏せ・見張り・押しかけ・うろつき
自宅・勤務先・学校・最寄駅などでの執拗な出没、帰宅経路の待ち伏せ、建物周辺の見張り。

2)面会・交際・復縁など義務のない要求
拒絶しているにもかかわらず面会・交際・復縁・連絡をしつこく求める。

3)無言電話・連続の電話・FAX・手紙・メール・SNSメッセージ
ブロックや拒否を伝えた後も連続的に送信・発信する、深夜早朝の執拗な着信など。

4)名誉を害する事項を伝える・拡散する
人格を貶める投稿・デマの流布・誹謗中傷の書き込みなど。

5)位置情報の取得・追跡(GPS等)
スマホや車に無断でGPS機器を装着・アプリで追跡するなど。

6)監視していることを示唆・告知する
帰宅直後に「お帰り」と電話・DMを送る、行動を逐一把握している旨を伝える等。
7)著しく粗野・乱暴な言動
怒号・脅し・罵声の繰り返し、危険を感じさせる言動。
8)汚物等の送付
汚物や動物の死体などを送りつける悪質行為。
9)性的羞恥心を害する事項を伝える
わいせつ画像の送付・公開、脅し目的の拡散など。
10)GPS機器の装着・設置
車両や私物への無断装着等(違法性が強く、早急な対応が必要)。
危険を感じたらためらわず110番、可能なら近隣の警察署・交番へ相談を。
被害を拡大させないための初動(安全と証拠化)
- 安全を最優先:自宅・通勤経路・立ち寄り先を固定化しない。人通りの多い場所を選ぶ。
- 通報と相談:危険を感じた時点で110番。落ち着いてから最寄り警察署の生活安全課へ継続相談。
- 証拠を残す:SNS・DM・通話履歴・着信履歴・録音・防犯カメラ映像を保存。スクショは日時が分かる形で。
- 第三者へ共有:家族・職場・学校へ事前共有し、出入り口や帰宅動線の見直しを依頼。
探偵がサポートできること(警察と併走)
警察は危険防止・刑事手続の専門家、探偵は民事上の請求や日常の安全設計へ繋げるための“証拠化”を支援します。
- 行動実態の客観的記録(写真・動画・行動ログ)
- 張り込み・見張りにより反復性の立証を補強
- 弁護士や警察へ提出可能な調査報告書の作成
- 被害パターンに応じた生活導線の見直し案(安全動線・防犯機材)