探偵が張り込み等の行為を行う事は違法行為に当たらないのか?と心配される方がいらっしゃいますが、
探偵による張り込みは依頼者と対象者(張り込みをする相手)の関係性などによって、法的にOKかどうかが変わってきます。
探偵業法
探偵には探偵業法という守らなければならない法律があり、
探偵業法第2条において、
「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
とされ、依頼を受けて張り込みなどの調査を行い依頼者に報告する事は探偵の仕事として定義されています。
ただ、依頼を受ければ対象者が誰であっても調査をして依頼者に報告して良いかというとそうでは無く、次の場合のみ、依頼者に調査結果を伝えて良いとされています。
①対象者が依頼者の配偶者である場合(婚姻関係にある場合)
②対象者が依頼者の親権に服する子である場合
③対象者が依頼者の法律行為の相手方となろうしている者である場合
④依頼者が犯罪その他の不正な行為による被害を対象者から受けている場合
この④つの事項のいずれかに該当していれば、探偵が張り込み等を行い依頼者にその結果を報告する事に違法性はありません。
張り込みの適法性が争われた事案
東京地方裁判所平成19年5月10日
A氏が探偵社に依頼をして、妻の浮気相手のB氏の自宅周辺で調査を行わせた事が不法行為に該当するとしてB氏が主張した。
B氏宅が探偵社による調査対象となったのは、A氏が妻の行動調査を依頼したところ、妻が深夜にB氏宅に赴いたことによるものであり、又、探偵社による調査は、B氏宅があるマンションの共用部分に立ち入り、B氏宅の玄関の外側から写真撮影をするなどの方法で行われている。そうすると、A氏が調査を依頼したことには相応の理由があったということができるし、調査の方法も格別不相当なものとは認められない。これに加えて、B氏がB氏宅に連日のようにA氏の妻を招き入れるなど親密な関係になったことがA氏に対する不法行為と評価されることを考慮すると、A氏の上記行為に違法性があるということはできないと解するのが相当である
以上のように、要件を満たしていれば、探偵による張り込みに違法性が無いとされます。
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