
島根女子大生バラバラ殺人事件(2009)
舞台は静かな地方都市、そして広島県の山奥。
日常の中に潜んでいた狂気が、若き女子大生を襲った。
事件の概要
2009年10月26日、島根県浜田市でアルバイトを終えた女子大学生(19)が忽然と姿を消す。
それから約10日後、広島県・臥龍山(がりゅうざん)の山中で女性の頭部が発見され、DNA鑑定により行方不明の彼女と確認された。
以後、胴体・手足・爪と切断された遺体の一部が日を追って次々と発見され、日本中に戦慄が走る。
犯行の特徴と異常性
- 死因:頭部の殴打、および絞殺の可能性
- 凶器:鋭利な小型の刃物
- 遺体損壊の異常な執着:極めて計画的かつ猟奇的
- 遺留品:遺体に付着していたビニール片から、限定地域向けの電話帳ポリ袋と特定
不可解な点と疑惑
アルバイト帰りの女子大生の後を追っていたという白いセダン。その直後から消息が途絶え、遺体は切断され広島県山中へ…。
事件発生からわずか2日後、山口県内の高速道路で30代の男が事故死。警察は関連性を見出せなかったが…。
7年後、デジタルの“証拠”が暴いた犯人像
2016年12月、事件は大きく動いた。
事故死した男の遺品から削除されていた57枚の画像データが復元され、被害者の遺体・包丁・室内背景などが写っていた。
特に、被疑者の自宅風呂場と思われる場所で撮影された写真が決定打となり、男を「被疑者死亡のまま書類送検」。
しかし、法的責任は問えず、真相は“闇に葬られたまま”である。
犯人像と動機の考察
- 土地に詳しく、山中への夜間移動が可能な人物
- 過去に女性への暴力・性犯罪歴あり
- 犯行を記録・保存する異常性:性的嗜好、または“支配欲”による衝動か
- 面識なき女子学生を標的にした通り魔的犯行の可能性
事件の余波と現在
この事件をきっかけに、浜田市は10月26日を「いのちと安全安心の日」と制定。
全国的にも地域防犯意識が高まるきっかけとなった。
事件の真相は、被疑者の死により法廷で語られることはなかった。
だが、復元された“画像”というデジタルの証拠が、静かに狂気の存在を物語っている。